Vol.20 All About DUPONT(前編)

いかがでしたか?
先月のコラムはバーのネタになりましたか?

20回目のこのコラム。
今回のテーマは「All About Dupont(前編)」

いつかは持ちたいデュポン。
そのデュポンの歴史や、魅力を
ヒロ嶋田さんに教えてもらいましょう!
今月のコラムも楽しみですね!


(2008年8月)

※)編集部注:シガーダイレクトでは通常Cohibaをコィーバと表記しておりますが当コラム内ではヒロ嶋田氏の表記にあわせコヒーバと表記しております。



コラム内で話題に上っているデュポンとコヒーバの
コラボレーションライター
コヒーバのチューボのようなデザインが美しい!

もう、5〜6年になるだろうか。
デュポンがコヒーバとコラボして製作したライターが日本に輸入された。
筆者は、そのライターをあるテレビ番組で紹介したことがある。

撮影場所は、浅草のシガーバー「ホワイエ」であった。
撮影に3時間、放送3分のTVデビューは、改めてVTRを見ると気恥ずかしくなるが、ライターは素晴らしかった。

コヒーバは、ハバナファンには欠かせないブランドであるし、コヒーバを冠した商品も厳しい審査をクリアしなければ創られることはない。

キューバが選んだ世界の一流品が、デュポンであったということだ。
コヒーバデュポンは、ライターとして見ても、バーナーの部分は、シガー着火用にツインフレームを使用し、通常の炎より太く燃焼する。

また、トップを指で跳ね上げた音色が、マニアをくすぐってくれる。、世界限定約2000個、日本には150〜160個位であったと記憶している。




デュポンといえば
漆と金属のコラボレーション
1872年に、シモン・ティソ・デュポンが、フランス、サヴォワ地方で創業した。アメリカのデュポン社と誤解されることがあるが、全く違う会社である。

最初は、高級皮革製品のアトリエとして財布やアタッシュケースの製造で成功する。
1920年代になるとオーダーメイドの高級トラベルケースが人気となり、ウインザー公爵やアル・カポネが顧客となった。

最後のトラベルケースは、1947年に英国エリザベス女王の婚礼用として製作された。
その革は、ラベンダー色のモロッコ革で創られ、婚礼を飾った。デュポンのトラベルケースは、非常に高価で、当時の家一件ほどの価値があったということだ。  

トラベルケースは、上質な革を使用するだけではない。
装飾には様々な貴金属を使用する。その芸術性を兼ねる製品を創るには、様々な職人が必要となる。

1930年代になり、サイモンの息子たちが、その志を継いだ頃、革製品使用する金属に装飾を施す「plaqueur=メッキ職人」を探すために広告を出した。

ところが、広告の綴りが誤って「laqueur=漆職人」を募集してしまう。
これにより、応募してきた漆職人の技を手に入れることになる。

それまで、金属に漆を施す技法は、誰も思いつかないものだった。
この新しい技術は、今もデュポンの様々な製品に活かされている。




デュポンの代名詞Ligne1
第2次世界大戦の物資欠乏の時、デュポンは、ライターの製造を開始する。ライターを 製造するに当たり、皮革製品の金具製造で培った貴金属細工の経験が役に立った。
1941年オイル式のポケットライターを生み出すとたちまち人気になった。
その約10年後にガスライターを市場に出す。

デュポンのライターは、様々な彫刻が施されており、繊細で優美なフォルムは他の追随を許さなかった。

デュポンのライターが画期的だったのは、炎の調節機能が付いていたことだ。それにより自分の好みの着火が可能になった。

シガー愛好家とパイプの愛好家では、使う炎の大きさが違う。
パイプの場合は、ボウルに炎が滑り込むようにして着火をする。
そのため炎は、ある程度の大きさがあると具合が良く、炎の安定は絶対ではない。


シガレットには、安定した小さめの炎が着火し易いし、シガーの場合は中くらいで安定していなけれればラッパーを焦がしてしまう。

デュポンが製造した最初のモデル『Ligne1=ライン1』は、その代名詞となり、各国で様々なコピーを生み出した。

その後、ライン2、やギャツビー、Dラインなどをリリースする。
2000年には「X・tend=エクステンド」と名付けられたターボライターを発表し、新しいファンを獲得した。
エクステンドはロンソンコメットのように横のグリップを握ると着火する。握っている間は、燃焼を続ける。スマートなフォルムと軽さが人気を呼んだ。

コラム内に登場のデュポンGATSBY、X・tendシリーズ
楽天シガーダイレクトで取扱い中です

当コラムについての著作権はすべてヒロ嶋田氏に帰属します。
お問い合わせはシガーダイレクトまで


ヒロ嶋田のスモーキートーク
バックナンバー
Vol.1 7C‘s
7つのCとは・・?
Vol.2 クリント・イーストウッドとシガー
シガーの似合う俳優といえば・・
Vol.3 Cigar in the movie
映画の小道具としてのシガー
Vol.4 Humidor
ヒュミドールってなんですか?
Vol.5 Humidor2 "Keep your cigar"
葉巻をおいしく保管しましょう。
Vol.6 What is Cigar?
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Vol.7 What is Cigar 2?
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Vol.8 What is Cigar 3?
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Vol.9 What is Cigar ? 4
葉巻に潜む脅威!その名も「葉巻虫」
Vol.10 Tobacco Leaves
たばこ畑って、まだ都市圏にもあるんですよ。
Vol.11 This is Cigar
実は美味しいショートフィラー。
Vol.12 This is Cigar2
おいしい葉巻は職人技が支えてるんです。
Vol.13 葉巻の色は?
ラッパーの色ってこんなにあるんです
Vol.14 葉巻を造る
葉巻工場の秘密兵器とは?
Vol.15 コヒーバの光と陰
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.16 コヒーバの闇に埋もれた男(前編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.17 コヒーバの闇に埋もれた男(後編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.18 葉巻の香り
葉巻とお酒のマリアージュ!
Vol.19 葉巻の保管(夏編)
夏の湿気対策は?
Vol.20 All About Dupont(前編)
いつかはデュポン
Vol.21 All About Dupont(後編)
ライターと映画の関係
Vol.22 いたりあ紀行(前編)
地球の裏側で見たタバコ文化
Vol.23 いたりあ紀行(後編)
ところ変われば・・・イタリアにて
Vol.24 「褻」と「晴れ」
シガーとハレの関係とは?
Vol.25 宴の後
宴(ハレ)の後・・・
Vol.26 夏の煙管
日本の技術が支える!独自のたばこ文化
Vol.27 夏の煙管2
刻みたばこってこんなに細いんです
Vol.28 夏の煙管3
煙管のメンテナンス
Vol.29 夏の煙管4
煙管の吸い方
Vol.30 クリスタルヨットクラブにて
シガーダイレクトクラブクラブミーティングに参加して
Vol.31 煙管5
夏だけじゃない、着物に煙管を粋に合わせるには?
Vol.32 Anniversary Cigar 1
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Vol.33 Anniversary Cigar 2
大事な日だからこそ、特別なシガーを贈りたい
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Vol.35 キューバからの贈り物
リングがないシガーの正体は…?
Vol.36 リミターダの誘惑(前編)
そもそも、リミテッドシガーとは…?
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Vol46 パイプの構造
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Vol47 煙管ブーム【緊急番外編】
嶋田さんが語る!キセルの最新事情
Vol48 パイプ −最初の1本−
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紙巻きのたばこについて
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大人の嗜好品としてのたばこ
Vol76 キューバンダビドフの誘惑
憧れの葉巻 キューバンダビドフ
Vol77 キューバンダビドフの誘惑 後編
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Vol78 キューバンダビドフの誘惑 宴の後
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Vol81 栗名月
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Vol82 徳大寺有恒氏追悼
ヒロ嶋田さんから、徳大寺先生へ
Vol83 スパイス
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Vol85 雪解けの憂鬱
キューバとアメリカ、国交正常化
Vol86 雪解けの憂鬱 2
キューバとアメリカ、国交正常化
Vol87 雪解けの憂鬱 3
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Vol88 モノクロームの景色 たばこが消える日
PP法とたばこの未来
Vol89 たばこが消える日 1
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Vol90 たばこが消える日 2
たばこの広告文化の栄枯盛衰
Vol91 たばこが消える日 3
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Vol92 たばこと文化 1
たばこが風習から文化になるまで
Vol93 たばこと文化 2
日本で花開いた、独自のたばこ文化
Vol94 たばこと文化 3
華のお江戸で栄えたたばこ関連の仕事


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