【7】ある日いきなり死はやってくる

※画像はイメージです。
シマジ会長 いくつだったの?

福田さん 68歳です。

シマジ会長 まだお若いなあ。この間、サロン・ド・シマジ常連の秋山教授が亡くなられたじゃないか。あんなに元気だったのに、ある日いきなり死はやってくる。まさに人生は恐ろしい冗談の連続だ。

福田さん 母にとって息子は私一人やったけんがですね、本当に大変でした。タケダさんはたまに戻らっしゃるとですか?

タケダ 福岡には居合の団体もあるけん、指導のためもあって戻りよります。ばってん、私は二親とももう亡くしとるけんですね。

福田さん うちは父親だけ残っとるけん、不便で不便でにっちもさっちもいかんですね。父親の世代は家のことは基本的になんもしきらんでしょうが。

シマジ会長 そうだよなあ。

タケダ 私は母親と父親と、亡うなったときの感覚が違うたとですよ。父親がおらんごとなったときは、あげん仲がうもうなかったオヤジが実は自分をすっぽり覆うごと、心の庇になってくれとったっちゃなあ、と思いました。母親の場合は子どもに戻ってしまおうごとありますね。

シマジ会長 息子にとっては母親の死はきついよ。

福田さん 私はマザコンやったけんがですねえ・・・


【8】「淳一、たまには家でご飯食べんね」
シマジ会長 大変だったな。

福田さん そんとき、仕事が忙しゅうて、忙しゅうて、悲しむ余裕のなかったとですよ。それが幸いして自分ば見失うことも無かったとです。

シマジ会長 天が見てくれてたんだよ。

福田さん 亡うなるまで、何しよってもお袋のことが気になっとってですね。ばってん会うと男やけん、何しゃべっていいかわからんでしょうが。

タケダ よくわかります。

福田さん そいばってん、嫁は血のつながっとらんとにようしゃべれるとですよね。あれが不思議ですねえ。

シマジ会長 男と女は別の動物なんだよ。

福田さん まだお袋が料理ば作れたときに、「たまには家でご飯食べんね」って言われよったとですよ。そいばってん、帰ったっちゃ家で食わんでうまかもん食いに出て・・・。

シマジ会長 男は照れもあるからなあ。

福田さん それが一番の後悔ですかねえ。お袋の作った味噌汁ば食うときゃよかったって思うとですよ。

タケダ 久留米もいりこですか?

福田さん そうそう、いりこです。あれが東京には売りよらん。あれに白みそが福岡の味噌汁ですよね。そうめん入れたやつとか

タケダ にゅうめんですよね。

福田さん そうそう!「あのお袋の味噌汁ば食いたか・・・」と今さらながら思うとですよ。

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上記「」内コメント出典;「リアル・シガー・ガイド」馳星周著(集英社インターナショナル)
馳先生の許可を得ています。


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